珈琲のある情景

第2回 珈琲豆の鮮度について - その1
 前回このコーナーで「コーヒー豆は生鮮食品」と書きました。ここで言うコーヒー豆とは焙煎(ローストとも言う)した、いわゆるレギュラーコーヒーと定義します。
 私たちは、常々鮮度の良いものを求めて買い物をします。その代表的なものが生鮮3品といわれる肉、魚、青果でしょう。加工品においても焼きたてのパン、炊きたてのご飯などは誰もが美味しいと思います。コーヒー豆も多くの人が新鮮なほうが良いと考えていますが、前述の生鮮3品やパン、ご飯ほど神経質にかんがえる人は少ないでしょう。

 では、コーヒー豆の賞味期間とはどの程度のものなのでしょうか。公正取引委員会の規定によりますと、「レギュラーコーヒーにあっては、18ヶ月以内の期限」となっています。 私の店に来られるお客様でも、「頂いたコーヒー豆がまだ半年分以上あるから」とか、「どのくらいの期間飲めますか?」など、賞味期間にまつわる曖昧さが常にあります。
 公取の規定による「賞味期間」を単純に「美味しく味わえる期間」と理解すれば18ヶ月は大いに疑問であり、「飲んでも問題ない期間」と理解すれば納得できます。美味しい、まずいという味覚は個人差が大きく、ましてやコーヒーに関しては飲料であっても嗜好品に属しており、一部の人を除いてはなくても困らないものであるため、問題視されなかったのでしょう。

 消費者の立場からすると、コーヒー豆は特に焙煎後の保存期間が重要です。焙煎した直後から変化が始まります。一般には新しいもの程良いと言えますが、厳密に言えば焙煎した直後は煙り臭さを感じることがあります。嗜好品ですから、それはそれで美味しいと感じる人もいますが、焙煎後2、3日した頃から飲み頃になり、その後4,5日が飲み頃のピークで、後は徐々に味、香り共に落ちていきます。
 密閉容器の保存であれば焙煎後2週間が「賞味期間」と言えます。豆の状態で冷凍保存をすると1ヶ月が賞味期間となります。この場合、コーヒー豆は活性炭のように他の匂いを吸着する性質があるので、必ず密閉容器」に入れることが必要です。また、粉にしてしまうと表面積が二桁大きくなるので、味も香りも極端に劣化が早まります。コーヒー豆は焙煎後2週間、粉砕後1日と認識し、安いからと言って一度にたくさん買わず、こまめに少しずつ豆の状態で買う事を是非お奨めしたい。

次回もさらに「鮮度」にこだわります。

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